
暴論、あるいは反証可能な仮説であることを承知で言うとしよう。
SNSがこの世界にもたらした真の果実、それは「国民総オナニー社会」の完成である。
人間の脳は自慰行為に耽るとき、報酬系が激しく発火し、快感、意欲、学習に関わる快楽物質であるドーパミンが大量に分泌される。ちなみにドーパミンは、L-チロシンを由来として各種酵素によって生合成される神経伝達物質である。
恐ろしいことに、SNSでのシェアを眺めたり、タイムラインをスクロールしたりしている時、あなたの脳内では、ほとばしる報酬系の波に身を置いているのと同じことが起きている。予測不能に与えられる「いいね」や共感のリプライは、脳の報酬系を直接ハックする極めて精巧な「快感スイッチ」として機能するのだ。
つまり、画面を指でなぞるその無意識のスクロールこそが、巧妙にデザインされた「デジタル自慰行為」に他ならない。
さらに厄介なのは、この自己完結の波が「意識高い系」領域までも呑み込んでいることだ。
既存の権威からは隔離され、ビッグテックによって作り出された「インフルエンサー」と称する呪い師たちが、学習系コンテンツや自己啓発セミナーを司る。画面越しに熱い言葉を浴び、「よし、自分も明日から頑張ろう!」と高揚した瞬間に発動する「安心スイッチ」。この時、脳内ではドーパミンの興奮に加えて、精神の安定・安心感・意欲に関わる神経伝達物質であるセロトニンまでもが分泌されている。
現実には何一つ行動を起こさないまま、快感と安心感の絶妙な脳内カクテルに酔い、すっかり「成長した気」になるシャブ漬けの日々で満たされてしまう。これぞ、現代社会が確立した、究極の知的マスターベーションである。
私たちは画面を通じて「世界中と繋がっている」という脳内幻想を旅しながら、その実、プラットフォームが用意したアルゴリズムの上で、自分の脳の快感ボタンと安心ボタンを狂ったように連打させられ続けている。
かつて「双方向の繋がり」という美しい理想を掲げたWeb 2.0の正体は、誰も傷つかない自己完結のぬるま湯だったのだ。私たちはビッグテック企業の養分として、社会の一部を構成させられているに過ぎない。
こんな自己欺瞞のループは、もう終わりにしよう。自分を慰めるだけの、腐りきったWeb 2.0のシステムなんて、さっさとぶっ壊してしまおう。
思い通りにならない他者との摩擦に身を置き、ヒリヒリする現実の痛みの中にしか、私たちが本当に生きるべき世界はない。
ペルシャ湾越しにミサイルが飛び交う中東の苛烈な現実と、片やこの「国民総オナニー社会」……。
さあ、快楽と幻想でWeb 2.0を彷徨うのはやめて、AIでエンパワーされる社会へ向かう方が、よっぽどマシだと思わないかい??